2次試験 共通解答方針

お客様が目の前にいると思え

単なる机上のペーパー問題ではなく、目の前にお客様がいて、報酬をもらって助言する状況をイメージする。お客様に対して真摯に助言する心構えをもつ。コストを度外視した助言や、ドラスティックな改革を促すような非現実的な助言はしない。合格=お客様にとって適切な助言、不合格=お客様にとって不適切な助言である。通常の経営コンサルティングのアプローチに沿って検討を進める(年度によって特別な対応はしない)。

神栖 砂場(茨城県)
株式会社 鹿祿(徳島県)

ジャスト70点を目指せ

10回試験を受けて、10回合格するにはどうすればよいか。リスクを取って高得点(80点以上)を目指すのではなく、合格に必要な最低限度の70点を取る「安定性・安全性」を重視する。30点分を犠牲にしてリスクを徹底的に減らす。

解答にこれでもかと情報を詰め込む行為や、出題者の意図を深読みしすぎる行為は危険である。深読みしそうになったら、その検討内容は潔く捨てるべきである。

受験予備校が公表する解答を目指してはいけない。ベテラン講師たちが落ち着いた環境下で練りに練った答案など、本番の緊張した状態で受験生が書けるわけがない。そもそも正解かどうかもわからない。目指すべき答案は、出題者の意図を外さず、本番でも再現可能な、背伸びをしない答案である。

問題要求の解釈力を高める

答案作成において最も重要なのは、一番最初に行う「問題要求を解釈する」ことである。問題要求を解釈するとは、①問題の指示(制約)を厳守する、②趣旨を想起する、③知識を想起する、の3つから成る。

問題の指示を間違えれば、採点すらしてもらえない。よって、指示を正確に理解し、その指示を厳守しなければいけない。書けと言われていることを書かない、書くなと言われていることを書く、1つだと言われているのに2つ書く、特定の観点から書けと言われているのに別の観点で答える、など、指示を間違える例は枚挙にいとまがない。

出題の趣旨は、中小企業診断協会から公表されている、解答への唯一確かな手がかりである。過去問題の問題文を見て、そこから趣旨を想起する訓練をする。

続いて、問題文から知識を想起する際に重要なのは、問題を立体的/構造的に捉えることである。例えば、経営環境が変化する前と変化した後を軸として、それに応じた経営戦略/事業戦略/機能戦略(組織戦略、人事戦略など)の変化を考える。あわせて、問題要求に関連する1次試験の知識を幅広く想起し、出題者が考える解答へと導く論拠・根拠となる情報が何かを推測する。

出題者は解答者に、特別な読解力を要求しているわけでもないし、想起する知識に関して業界特有の専門性/専門的知識を要求しているわけではない。中小企業診断士として、社会人として、ごく当然の読解力を要求している。

得点効率の高い作業方法を採用せよ

試験時間は80分しかないため、対応できることには限りがある。ボタンの掛け違いですべての問題を失点するようなことがあってはならない。受験生が対応できる問題を見極め、該当する問題については絶対に得点しなければいけない。問題を解く前に優先順位を決めて、得点しやすい問題から取り組まなければならない。

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