中小企業庁からのお知らせです。2024年11月に施行される「フリーランス・事業者間取引適正化法」は、フリーランスが安心して働ける環境を整え、取引の適正化を図ります。462万人のフリーランスが存在し、報酬の遅延や不当減額などトラブルが多発しています。新法では取引条件の明示を義務付け、禁止事項を定めつつ、就業環境の整備も求めています。政府は各省庁と連携し、フリーランスの働き方をより安定化させることを目指します。
フリーランスが安心して働ける環境を。新法施行で迫られる商慣行の改善
働き方の多様化に伴い、多くの人々が自らの知識やスキルを生かしてフリーランスとして働くようになっています。この自由な働き方には多くの利点がある一方で、取引先との関係においては弱い立場に置かれることも少なくありません。そのため、フリーランスが安心して働ける環境を整えることが求められています。
2024年11月から施行される「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」は、フリーランスの働く環境の改善を目指しています。この新法により、フリーランスはどのように守られ、受注事業者に何が求められるのでしょうか。
全国に462万人。多様な職種がフリーランスとして活躍
現在、日本には約462万人がフリーランスとして働いているとされています。デザイナー、カメラマン、エンジニアなど、さまざまな業種の人たちがフリーランスとして活動しており、企業に所属することなく独立して働いているのです。また、新法では「一人社長」として法人を設立した個人事業主も保護対象に含まれています。
トラブル経験が2割以上。泣き寝入りの実情
内閣官房が実施した調査によると、業務委託を受けているフリーランスのうち、2割強が取引先とのトラブルを経験しているとされます。トラブルの主要な原因は、報酬の支払い遅延や不当な報酬減額などです。さらに、トラブルが発生した場合、約6割がそのまま受け入れたり、改善を求めても結果が出なかったと報告しています。
宮下雅行内閣参事官は、こうした問題の解決が急務であると訴えています。「多様な働き方の広がりが進む中で、フリーランスが安心して活躍できる環境を整えることが重要です」と彼は述べています。
新法により取引条件の文書化が義務化
新法では、フリーランスとの取引において、業務内容、報酬、支払期日などの条件を文書化することが義務づけられています。また、納品から60日以内に報酬を支払うよう求められ、さらに7項目の禁止行為が定められています。これにより、フリーランスはより安定した環境で働くことができます。
新法の施行に際して、フリーランスは不正取引について公正取引委員会や関連機関に申し出ることができ、違反があった場合は指導や勧告、場合によっては罰金が科されることもあります。
政府がフリーランスをバックアップ
フリーランスの働く環境が整備され、より活躍できるようになることで、日本の労働市場全体が活性化されると期待されています。宮下参事官は、「フリーランスが安心感を持って働くことによって、より良いクリエイティブな活動が生まれ、発注側とフリーランスの両者に利益がもたらされる」と述べています。
こうした新法の効果を確実なものとするためには、政府の各省庁が協力し、業界の実情を正確に把握しながら、フリーランスとの取引適正化に向けた取り組みを進めることが肝要です。
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