- 経営環境の変化があっても、C社の業績は維持されてきた。その理由を述べよ。(第1問 強み・弱み)
- C社の生産計画上の問題点とその改善策を述べよ。
- 【品質】品質向上を図るために必要な具体的対応策を述べよ。
- 【コスト】収益改善を早急に図るための、生産管理面での対応策を述べよ。(材料費、労務費、経費=運賃等)
- 【納期】短納期に対応するためにはどのような改善策が必要なのか述べよ。
- 【効率化】製造工程の効率化を進める上で必要な課題と、それぞれの対応策を助言せよ。→回答が何でもありになる
- 作業方法に関する問題点とその改善策を120字以内で述べよ。
- 【戦略】C社が経営資源を生かして生産を維持・拡大するための今後の戦略について助言せよ。
経営環境の変化があっても、C社の業績は維持されてきた。その理由を述べよ。(第1問 強み・弱み)
理由は、①企画から製造までの一貫生産体制構築、②創業当初から保有している特殊技術力の活用、③エンジニアの営業部員による新市場開拓力、④歩留まり改善や成形速度改善によるコスト削減、⑤工業団地組合での共同受注・共同開発による助け合いのため。
C社の生産計画上の問題点とその改善策を述べよ。
問題点は、①見込生産量にもとづく生産計画で欠品が生じており、②生産効率優先でロットサイズを決めているため過剰在庫が生じており、③日程計画が確定する都度発注し材料在庫は受注分のみの材料調達しているため欠品が生じていること。改善策は、①受注量に合わせた生産計画を策定し、生産計画の短サイクル化する、②ロットサイズを受注量と一致させる、③納品予定内示に基づき材料の定期発注を行い一定の安全在庫を保有する、④生産計画の専任部門を設置する、等である。
【品質】品質向上を図るために必要な具体的対応策を述べよ。
対応策は、自動旋盤のメンテナンス方法の変更である。オペレーターが各自の経験で行うメンテナンスを標準化・マニュアル化し、故障対応を予防保全に改めることで、自動旋盤の精度を維持・向上させ、良品率向上を図る。※歩留まりの指摘は、品質には適さない
【コスト】収益改善を早急に図るための、生産管理面での対応策を述べよ。(材料費、労務費、経費=運賃等)
対応策は、生産計画の統一と管理項目の見直しにより費用を削減し収益性を高めることである。具体的には、①一括調達により仕入れ単価を引き下げ原価削減、②加工方法を標準化し歩留まりを改善、③全グループを俯瞰した生産計画により作業員を流動化し効率的に配置することで労務費削減、④配送の一括管理により荷造り運賃の削減、を図る。
【納期】短納期に対応するためにはどのような改善策が必要なのか述べよ。
改善策は、①特定の工程のみではなく、全工程を含めた生産計画を策定し、②段取回数重視の加工順決定を、納期重視に変更し、③散在する仕掛品置き場のレイアウト変更により仕掛品の滞留を削減し、④工程順序や工数見積もりを標準化し不稼働作業を減らし、⑤プレス加工と板金加工の設計担当を分けて設計期間を短縮し、⑥3DCADを導入して発注元とデータを共有して確認・変更の頻度を減らすことで短納期化する。
【効率化】製造工程の効率化を進める上で必要な課題と、それぞれの対応策を助言せよ。→回答が何でもありになる
課題は、①受注量より多いロット生産の改善・平準化、②縫製工程の作業者の負荷軽減、鋳造工程後の仕掛品滞留の削減、③機械加工工程がネック工程となり残業が生じている状態の解消、④設計の負担削減である。対応策は、①受注量に合わせた生産計画を策定し、受注変動をリアルタイムに計画に反映すること、②製品グループを作って作業割り当てを改善し、修理の専門部署を作って作業者を縫製工程に集中させること、③機械加工の段取り作業短縮で作業効率の向上を図ること、④設計に用いるCADの使用方法を標準化してデータを迅速に共有化し、部品等の設計要素のライブラリー化で設計の効率を高めること、⑤ベテラン技術者からOJTで若手に技術承継して生産性を向上すること、等である。
作業方法に関する問題点とその改善策を120字以内で述べよ。
問題点は、段取りの時間が長いこと、無駄な手待ちがある点。改善策は、①内段取りの外段取り化、②機器の稼働順を合理的に見直し、昼休憩中も機器を稼働させ、生産性を向上させる、③金型と使用材料の置き場のルールを定め、5Sを徹底すること。
【戦略】C社が経営資源を生かして生産を維持・拡大するための今後の戦略について助言せよ。
戦略は、新規顧客を開拓してX社依存からの脱却を図り、経営リスクを分散すること。具体的には、①世界市場で著名な精密機器の部品に注目し、海外市場を開拓する、②工業団地の周囲の企業と共同で高付加価値の製品を開発し、海外製品との差別化を図る、③顧客からの軽量化・複雑形状化要求に対応し、金型製作技術を強化する、④高齢作業員の技術を承継する若手人材を確保するために若手職人の多能工化教育を行い、作業環境を改善する、等の施策を行い受注を拡大する。
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