基本計算式はこれだけど、CF計算書の営業活動によるCFの計算なのか、投資計算における営業CFなのかを見極めないといけない問題が出る可能性があるので注意!
税引後CF=税引後営業利益+減価償却費-運転資本の増加額
「売却」と「除却」と「廃棄」に注意!「除却」は資産を帳簿からなくすという意味で、残存簿価(取得価額-減価償却累計額)を特別損失に振り替えます。
- 売却→①売却CFと、②売却損or売却益の税効果を加味する
- 除却→除却損(=残存簿価)は非資金費用で、減価償却費と同じ扱い
- 廃棄→廃棄するときにかかった費用は除却損として扱う
令和4年度第3問
設問1と設問2は確実に取りたいです。設問3は捨て問ですが、時間がかかる問題ではないので、できるなら取りたいところです。受験予備校間でも解答が割れていますが、ポイントは下記3点です。
- 在庫の取り崩しをどう処理するか→投資時と反対の処理を行う
- 販売期間終了後の継続CFを、経済的耐用年数15年で計算するか、永続的価値として計算するか→経済的耐用年数15年で計算するのが正しいと思うが、計算が煩雑すぎる(アンバランス)ので、それを作問者が期待しているようには思えない
- 設備の残存価額をどう扱うか→問題文に「除却」とも「売却」とも書かれていないので、処理しようがない(通常は、経済的耐用年数経過後に何らかの処分を行うことが、問題本文に指示されている)
令和3年度第2問
設問1と設問2は確実に取りたいです。設問3は時間がかかるので捨て問ですが、めちゃめちゃ難しいというわけではありません。ちなみに設問2を間違えると、設問3も芋づる式に間違えます。
令和2年度第2問
設問1は確実に取りたいです。設問2が捨て問です。ポイントは、「処分」と「売却」の違い。売却の場合は、売却による投資CFの増加(現金収入)と、売却損の税効果を考慮しますが、処分の場合は単なるキャッシュインかアウト(現金収入か現金支出)になります。ポイントは以下のとおり。
- ①のケースは、効果が出るときと出ないときでCIF以外の条件が変わるため、図を別々に書く
- ②のケースは、効果が出る場合も出ない場合もCIF以外の条件が同じため、CIFはまとめて期待値計算する、図も1つでよい
- 資産の帳簿価額が記載されているものの、結果的にこの数値は使わない(もし売却であれば使うのだが)。「処分から得られるキャッシュフロー」という表現に注意
令和元年度第3問
設問1と設問2は取れないとアウトです。設問3も、例年の難易度に比べれば易しいので、取りたいところです。ポイントは以下のとおり。
- 原材料費と労務費のコスト削減額、差額減価償却費、差額投資額をきちんと認識できているか(わかりにくかったら、総額をイメージして、そこから差額を求めてもよい)
- 「全社的利益は十分にあるものとする」=事業が赤字でも税金は発生=営業利益がマイナスでも(1-税率)を掛ける
平成30年度第2問
設問1と設問2は絶対に取りたい問題です。設問3も、少し頭を使いますが、計算量は極めて少ないので、ぜひとも取りたい問題です。ポイントは以下のとおり。
- 資産×WACCだけリターンが期待されている
- キャッシュフローの現在価値を算出するとき、1年分の成長率を加味するかどうか
平成29年度第3問
設問1、設問2ともに正解したいところです。全く難しくはないですが、下記のポイントだけ注意。
- 除却損の税効果は「残存価額+処分費用」×税率、処分費用を入れ忘れないこと
平成28年度第2問
キャッシュフロー計算が明示されているパターンの問題でした。設問1、設問2①は必ず取らないといけない問題です。設問2②もできれば取りたい問題でした。ポイントは以下のとおり。
- 設問2②で、税引後キャッシュフローをxなどとして解く(増加分をxとすると計算がややこしくなるため)
- ①で算出した数値を使うか使わないかによって、②の数値が微妙に変わってくる
平成27年度第3問
計算量は多くないけれど、基本的な論点の確認要素が多く盛り込まれており、ちょっとした認識違いで足元をすくわれる問題だと思いました。ポイントは以下のとおり。
- 設備gはプロジェクトにのみ使用するので、この減価償却費はCF計算に加味する必要がある
- 問題文に設備hの売却が明記されていないが、以下の問題文から売却CFが発生すると認識しなければいけない
- 投資案の「収益性」を示すのは正味現在価値法、「流動性」や「安全性」を示すのは回収期間法
平成26年度第2問
横着して差額で計算しようとするとミスしやすくなるので、損益計算書に沿って計算します。売上原価の増分の加味、金額単位、除却損など、引っ掛け要素満載で、正解にたどり着くのは大変ですが、決して解けない問題ではありません。
- 売上原価も変化するので注意→「売上原価は売上高に比例している」
- 除却損が発生することと、そのタイミングに注意する
平成25年度第2問
設問1と設問3は確実に取りたいところですが、設問2は難問でした。CF計算書の営業活動によるCFの計算なのか、投資計算における営業CFなのかを見極める必要があります。また、第1期は税引前利益がマイナスになります。このとき税金を0にするかどうか判断に迷うことになります。
植物工場がD社と別会社であれば、税金を0にしておく必要がありますが、そうでない場合、D社の全社的な利益があるのかないのかによって判断します。
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