【中小企業診断士】事例1~3の対策法について思うこと

最近になって2次試験対策を始めました。とにかく2次試験の勉強はめちゃくちゃ楽しいです。1次試験の勉強をやって疲れたなと思ったら、ご褒美として2次試験の勉強をやる、という感じです。この気持ち、わかってもらえるでしょうか?わかってくれる人とは親友になれそうな気がします。

2次試験の中で最も注力すべきなのは事例4です。なぜなら、事例4の正解は1つに決まるからです。正解が1つなら、その正解を導くための対策を立てることは「比較的」容易です(とはいえ事例4は激しく難しいのも事実で、それが楽しくもあります)。事例4を得点源にできないと、合格はあり得ません。

一方で、事例1~3の正解はまったくわからず、受験予備校の間でも見解がかなり異なります。これほどまでに答えがふわふわしている国家試験って、他にあるでしょうか。弁護士試験でもこんなアバウトな問題はないんじゃないかな?知らんけど。でもそんなところも含めて面白いと感じます。

では、事例1~3をどう攻略していけばよいのか。私は3つのことが必要だと考えます。

  1. 正解を決める
  2. 解答プロセスを確立する
  3. 知識をインプットする

正解を決める

各事例問題において、自分が正しいと思う解答を定義することです。受験予備校でもかなり見解が分かれる中で、それらの解答を組み合わたり、自分で考えたりして、これなら合格だと思う、という正解を作成します。これがスタート地点になります。

例えば以下は、令和3年度の事例3について、私が決めた正解です。受験予備校各社の解答を参考にしつつ、自分なりに一週間ほどかけて検討しました。私はこの作業を「研究」と呼んでいますが、少なくとも過去5年分の事例については研究する必要があると思っています。時間が許せば10年分くらい研究したいところです。

解答プロセスを確立する

正解を定義できたら、その正解に効率よくたどり着く解答プロセスを考えます。以下は私の解答プロセスの概略です。これをさらに詳細に落とし込んだ自分なりの手順を考えて、それを実践し、修正する、というPDCAサイクルを回して、解答プロセスを精錬させていきます。TACでいうところのTACメソッドというのがこれに該当しますが、もっと詳細で具体的かつ実践的かつ自分に最も適した解き方に変えていく必要があります。

  1. 題意把握(5分)
  2. 与件把握(10分)
  3. 与件情報分析15分
  4. 下書き作成(10分)
  5. 解答記入(40分)

知識をインプットする

2次試験対策用の知識のインプットは、量的に大したことはありません。そもそも2次試験では、1次試験ほど細かい知識は必要ないですし、一般常識レベルの知識でもそこそこ対応できます。この点はあまり心配しなくても大丈夫でしょう。ただ、設問文に登場する用語は、正しく解釈できる必要があります。なぜなら、用語の意味がわからないと正確に解答できないからです。

例えば、令和4年度事例1に登場する「組織構造」や「組織体制」、令和3年度事例1の「ファブレス化」、令和2年度事例1の「経営ビジョン」や「人事制度」、令和元年度事例1の「企業風土」、平成30年度の「競争戦略」や「事業特性」などです。「競争戦略」とはそもそも何か、競争戦略にはどんな種類があるのか、それぞれの戦略のメリット・デメリットは何か、といった事前知識がないと、解答の候補を検討することができません。

特に重要なポイントは・・

上記3つ「正解を決める」「解答プロセスを確立する」「知識をインプットする」のいずれも欠かせないですし、解答プロセスの1つ1つが重要なのは言うまでもありません。ただ、その中でも合否の鍵を握る重要なポイントは与件情報分析」だと思います。

私の推測ですが、試験委員の先生方は事例を作問するとき、与件の情報を整理した表をあらかじめ作成しているのではないかと思います。以下の表は、私が考える令和3年度事例3の整理表です。

第2問では表の中の「受注生産品」に関する課題・問題点を問う、第3問では自社ブランド製品の課題・問題点を問う、というように、設問と課題・問題点の対応関係を決めた上で、課題・問題点を与件の中に散りばめているはずです。しかも、なるべく正解が1つに決まるように、与件の中にヒントを入れているはずです。したがって、受験者である我々は、与件から整理表を作成して、設問との対応関係を見つける作業をする必要があると考えます。この整理表を正しく作成できないと、設問と課題・問題点の対応づけを芋づる式に間違えて大失点につながってしまうということです。

求められる能力

結局、試験委員の先生方は事例1~3を通じて私たちにどういう能力を求めているのか。私は次の2つの能力だと思っています。

  1. 情報整理能力
  2. 創造力

情報整理能力とは、80分という短い時間で、すばやく、正しく情報を整理する能力です。試験委員の先生方は試験問題を作成するにあたり、上記で示したような情報整理表を作成していると推測します。その表は決して複雑で難しいものではなく、通常の読解力があれば十分に作成できる程度にはシンプルなものだと思います。私たちは試験時間内に、情報を整理するための切り口を決めて、与件に分散されている情報を表に整理することが求められているのだと思います。

そして、ほんの少しの創造力が必要です。といっても、100人の受験生がいたら100とおりの回答になるような奇抜なアイディアを要求しているのではありません。試験委員の先生方は別にブレインストーミングをやりたいわけではないのです。正しく情報を整理できることを前提に、整理した情報に1次試験レベルの知識を加えて少し考えれば当然に出てくるようないくつかのアイディアを要求しています。

この2つの能力のうち、重要なのはもちろん情報整理能力です。感覚的には、情報整理8割、創造2割という感じです。正しく情報を整理できなければ、その後の回答はすべて間違ったものになります。だからこそ、すばやく正確に情報を整理するためのプロセスを確立することが重要になるわけです。

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