今後の株価・為替の見通し(探究!エミンチャンネル 11/3)

今回も非常に有益な知見をご提供くださり、ありがとうございました。以下、サマリーです。

利上げのペースはスローダウンするのではないか
ハト派的なメッセージを出すと株が暴騰してしまうので、それを防いだ

コロナショックのときに量的緩和と利下げを行った
フィナンシャルコンディション(FC)が下がる局面は、株が上昇している局面
市場はFRBの緩和転換ピボットをフロントランニングしようとしている
株価が上がれば上がるほど、FCは緩和の方に動く

フィナンシャルストレス指数は、アメリカの金融業界・金融市場がどれだけのストレスを抱えているかを示し、危機が起きると上がる
今はノーストレス
ノーストレスとは、資産高が続き、リスクをとっていろんなものに投資できることを示す
FRBが思っているほど引き締めに動いていないということ
この二つの情報からみて、ハト派的になるにはまだ早い

昨日パウエルが言っていたのは、蓄積効果を見なきゃいけないということ
ものすごい急ピッチで金利を上げてきたと認識しており、しかも今の金利水準に満足はしている
株が暴騰してしまうから、あまりハト派的なメッセージは出したくない
ただ、CPIが遅行指数であるということもパウエルはよくわかっている
蓄積した金利の効果が時間差とともに現れてくるから、高い金利を長い時間維持すると当然ながらインフレが下がってくるだろうと考えている
急ピッチでの上げ方は今後続ける必要はないはず

パウエルはタカ派的な発言をしなければいけない
ターミナルレートは年内にあと一回0.25%上げて、来年は必要に応じてせいぜいあと2回程度上げるのではないか
なぜなら、アメリカの景気減速は大手決算でわかるようにかなりはっきりしてきた
GAFAは軒並み決算が悪く、METAは1/4、Amazonは半値になった
Amazonのリテールは今バリュエーション0、つまり物販は価値がなく、AWSというクラウドサービスで評価されている
Microsoftも然りで、クラウドサービスが大きく評価されている
GAFAが大きく崩れている中で、今(指数を)支えているのはApple、Teslaの2社
エネルギー関連は、まだまだ株価が高いが、今後は崩れてくる可能性が多いにあると思う
CPIは遅行指数だから、今後景気悪化に伴って急激に悪化して下がってくる
みんなが思っているほど、ターミナルレートを上げないし、上げられない

ダウは買われ過ぎで、ここから27000くらいまで下げる可能性がある
S&Pはダウほど買われすぎではないが、オシレーター系で買われすぎのサインは出ている
パウエルの引き締め以上に、今後企業の業績が悪化してくる
金利が高いとファンダメンタルを織り込みにいく
金利が高くなると債券など色んな投資対象が出てくるので、株はより実力に合わせて評価しなきゃいけない
ウォールストリートも会社予想を引き下げるのが遅い

ドル円はもう天井を打ったのではないか
150円近辺は一つの節目だったんじゃないか
利上げ余地はなく、むしろそう遠くないうちに利下げせざるを得なくなる
債券市場がそう思っている
2年金利と5年金利の差(逆イールド)は0.5%で、歴史的にかなり開いている
債券市場は株式市場の数倍ぐらいの大きさで、債券投資家は株の投資家より頭がいい
FRBは来年のどこかで、利上げどころか利下げに転じなきゃいけない時期が来る
ただし、ドル円が円高に一気に動くかどうかわからない
さらに、リスクオフになれば、円のキャリートレードが巻き戻され、円が買われる
円もスイスフランも、世界の安全資産である
円が急に買われる局面というのはそう遠くない
アメリカでクレジットクランチが起きてしまったら、円が急速に変われる
徐々に円高になるならよいが、ビットレスマーケットになる可能性もある

パウエルとしては、ちょっとでもハト派的なことを言っちゃうと株が暴騰してしまって、フィナンシャルコンディションが緩和に動いてしまうので、それは絶対に避けたい
株がフロントランニングして上がれば上がるほど、逆にFRBの仕事は難しくなる

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