【プロジェクトマネージャ試験】論述の対象とするプロジェクトの概要2

プロジェクトの名称

ハイブリッドクラウドを活用した全社データ分析基盤の構築プロジェクト

システムが対象とする企業・機関

  • 企業・機関などの種類・業種: 製造業
  • 企業・機関などの規模: 1,001~5,000人
  • 対象業務の領域: 経営・企画、生産、営業・販売

システムの構成

  • システムの形態と規模:ハイブリッドクラウド・プラットフォーム
    • (既存オンプレミスDBと主要クラウドベンダー(AWS, Azureなど)のデータレイク、AIサービスを連携)
  • ネットワークの範囲: 同一企業・同一機関などの複数事業所間
  • システムの利用者数: 101~300人(主に経営層、各部門のデータ分析担当者)

プロジェクトの規模

  • 総工数: 約200人月
  • 総額: 約2億5,000万円(クラウド利用料、コンサルティング費用を含む)
  • 期間: 18ヶ月

プロジェクトにおけるあなたの立場

  • あなたが所属する企業・機関など: 一般企業などのシステム部門
  • あなたの役割: プロジェクトマネージャ
  • あなたが参加したプロジェクトの要員数: 約25人(自社IT部門、業務部門、外部コンサルタント、クラウドベンダー技術者による混成チーム

このプロジェクト概要が予想問題に強い理由

この設定は、近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れを汲んだ王道プロジェクトであり、以下の点で極めて高い汎用性を持ちます。

  1. ステークホルダーの対立を書きやすい
    • 経営層:「早くデータを見て経営判断したい」というトップダウンの要求。
    • 業務部門:「今の業務を変えたくない」という現場の抵抗や、「AIに何ができるのか分からない」という懐疑的な姿勢。
    • IT部門:「クラウドのセキュリティは大丈夫か」「運用できる人材がいない」という技術的・組織的懸念。これらの三者の期待値や利害の対立をマネジメントするストーリーを非常に作りやすいです。
  2. 現代的なリスクを盛り込める
    • 技術リスク:クラウドやAIという新しい技術の導入に伴う、性能不足や技術者確保の困難さ。
    • セキュリティリスク:オンプレミスとクラウド間のデータ連携における情報漏洩リスク。
    • コストリスク:クラウドの従量課金モデルによる、想定外のコスト超過リスク。
    • ベンダーリスク:特定のクラウドベンダーにロックインされるリスクや、外部コンサルタントとの連携問題。
  3. アジャイルとウォーターフォールの対立に応用可能
    • 全体の基盤構築は予測型(ウォーターフォール)で進めつつ、データ分析の個別テーマ(例:需要予測AIモデル開発)はアジャイルで進める、といったハイブリッド・モデルのストーリーに容易に応用できます。
  4. 「事業価値(ベネフィット)」を論じやすい
    • プロジェクトの目標を「コスト削減」「業務効率化」だけでなく、「データに基づく迅速な経営判断の実現」「新たなビジネス機会の創出」といった、より上位の**事業価値(ベネフィット)**に設定しやすく、PMBOKの最新トレンドに沿った論述が可能です。
タイトルとURLをコピーしました