直接原価計算と全部原価計算の違い

どうにも頭に入りにくい2つの原価計算の違いを改めて整理してみました。図の出所はすべて、「管理会計(櫻井通晴)」です。

手っ取り早く理解するには、それぞれの損益計算書がどうなるかをイメージしましょう。

営業利益を出すまでの過程が違います。全部原価計算は、私たちがよくみる損益計算書です。一方で直接原価計算は、費用を変動費と固定費に分けて、営業利益を出します。これを踏まえて、2つの原価計算をわかりやすくまとめたのが次の表です。

製品原価は、製品に対応させることができる原価のことです。期間原価は、どの製品にかかったのかを判別できない原価のことで、会計期間中に発生した原価(会計期間に対応した原価)です。

直接原価計算は、原価計算制度として認められていませんが、損益分岐点分析や利益計画に活用できるので、経営上の意思決定に役立ちます。

事例4で問われるとすれば、以下のような記述式問題でしょう。

直接原価計算について説明せよ

原価を変動費固定費に区分し、変動製造原価をもって製品原価とする。

全部原価計算について説明せよ

原価を売上原価販売費及び一般管理費に区分し、全部の製造原価をもって製品原価とする。

直接原価計算全部原価計算の違いについて説明せよ

固定製造原価の処理が異なり、全部原価計算では製造原価直接原価計算では期間原価として処理される。固定製造原価の分だけ棚卸資産原価が異なり、その分だけ利益が相違する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました